そして「里まち」

 そして「里まち」  ののいち里まち倶楽部会長 帆苅宏典 

 里山、里海が世界的テーマとして広がりをみせる今日、私たちは野々市市が田園都市としての性格を保ち、学園都市として発展するように願いを込めて「里まち」という造語で表現した。そして新市誕生に先駆け、平成22年、22名が参加して「里まち倶楽部」が発足した。

 石川県観光ボランティアガイド連絡協議会の熱心な活動からすれば遅きに失したと言えるが、これも県内で最も狭い行政区で、山も海もなく、観光要素に乏しい顔の見えない町という潜在意識があったためとも思える。しかし、イベント会場で町の姿を表現する子どもたちの言葉に触発され、平成21年、有志4人が動き始めた。

 郷土史を辿れば縄文、白鳳時代などの国指定史跡や重要文化財があり、自然、歴史、文化、農業、商工業をはじめ、地名の由来となる地域形成への先人の功績と伝承が輝いて見えてくる。

 この史実を市民が共有し認識を深め、誇りとすることで「故郷(ふるさと)愛」と絆が強まると考えた。倶楽部も2期目に入り、新たに大学生、ビジネスマン、職業女性ら12人を里まちガイド養成講座に迎えた。

 古代から白山大道と北陸道(北国街道)の交差地として、人、物、情報が交流する「市(いち)」で成長した里まちは、今では商業売上高が県内第2位の「市」となり性格を顕著にしている。

 市民憲章の具現化を求め、大学と共栄し、椿十徳の教訓を生かし、市民との協働で美しく調和のとれた、住みたい「市」に発展することを願いながら、おもてなしの心で一歩一歩の活動を続けたい。

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